劣化ウランの影響

 

御巣鷹山に墜落したジャンボ機(747-SR)の垂直尾翼には劣化ウランがウェイト(重り)として使用されていました。救難活動が遅れた理由のひとつとして、劣化ウランの影響がありました。劣化ウランの影響を懸念し、現場立ち入りを見合わせたことにより、救われるべく命が失われました(事故直後生存者は救出された4人以外にもいた)。

その劣化ウランにより欧州各国の兵士に白血病や皮膚がんなどの健康異常が多く見られたそうですので、ここに記します。


「劣化ウラン」

劣化ウランは天然ウランを核燃料用に濃縮する過程で生成され、金属密度が高く重い。そのため戦車等を攻撃する徹甲焼夷弾に使用された。主にNATO軍の主力である米軍が使用していた。

「バルカン症候群」

劣化ウラン弾は爆発すると、有毒な放射線の塵を放出する。この塵を人間が吸収することで身体に異常が表れる。白血病や皮膚がんなどが多く、バルカン半島で平和維持活動を行った兵士に多く発病しており、バルカン症候群と呼ばれている。

劣化ウラン弾に起因すると想われる死亡者は、イタリア6名、ベルギー5名、オランダ2名、ポルトガル1名である。

「備考」

劣化ウラン弾は湾岸戦争(1991)時い発病した湾岸戦争症候群がある。また、日本では沖縄駐留のアメリカ攻撃機が鳥島爆上で1520発の劣化ウラン弾を誤射している。

NATOはユーゴ空爆で約31000発、ボスニア紛争で約11000発の劣化ウラン弾を使用した。砲弾は戦車攻撃等に用いられ、着弾すると微量であるが放射線の塵を放出する。